9月に入りついに円とドルの為替レートが140円台になり、一説には150円までいくとの話が広がっています。
このドル高円安の影響について、テレビなどでは大きな話題となっていますが、実生活では意外とピンと来ないと感じませんか?それをよりリアルに感じるための“考え方”について今回はご紹介します。
 

1円=○○ドルと考える

個人的には「1ドルが○○円」といいうより、「1円(または100円)が○○ドル」というほうが他の通貨の動向とも比較しやすいと感じています。
つまり、1ドルが100円なら、1円は0.01ドルです。そして1ドルが150円になると、1円は0.0067ドルになります。少数点が多いので100倍で例えると、「アメリカ人に100円玉と交換してくれと言ったら、かつてはお返しに1ドル札をくれたのに、今では0.67ドル、つまり67セント分のコインしかくれない」ことになります。円の価値が下がったといことが直感的に分かるような気がします。
この1円=0.01ドルというと捉え方は、海外での両替所ではよく見られる表示で、マレーシアのリンギットだろうが、シンガポールドルだろうが、様々な通貨が、1万円札を出すとすぐにいくらになるか計算出来て分かりやすいです。そんな観点で、改めてこの円安を見ると、日本円はドルに対してのみならず、ほとんどのアジア諸国の通貨に比べて価値が下がっているのが気になります。
 

日本=東京サイズと考える

日本は島国でなく、陸続きで外国に行ける、東京サイズの国と想定します。この東京では、日本円が使われていますが、隣接の千葉と埼玉はドルが使われていると仮定します。
東京の人が、レジャーのために千葉のディズニーランドに車で行きます。そして100ドルの入場料を支払おうとすると、この前までは10,000円ですんだのに、最近では15,000円に迫る勢いになっています。そこでレジャーをあきらめて、家で食事しようと思って買い物をしても埼玉産の野菜が10ドルの値札は変わらないですが、やはり1,000円から1,500円に値上がりしています。レジャーや食料も東京で生産されたものを東京内で消費すればいいのですが、それでは生活が成り立たないのが現在社会であります。
このように毎日の「支出」のレベルでも影響がありますが、もっと怖いのは、円安ということはその「資産」も目減りしているということです。
つまり東京の人が待つ家が1,000万円の価値があるとすると、ちょっと前は10万ドルの価値があったとみなされていましたが、今や千葉や埼玉の人から見たら6万7,000ドル程度と目減りして見えてしまうのです。
このように円安の影響は日本への観光客が食べたり買い物したりする物価に影響しているのは周知の事実ですが、実は我々のもつ資産も目減りしているということを示しています。
 

現実的には日本は東京サイズではないし、海外との往来に関するコストや制限もあります。
しかし、身の丈サイズに日本を小さくすることを想定すると、この円安に対する恐ろしさが体感できるような気がします。それではその対策をどうすればいいかということですが、やはり円以外の資産を持つということが必要不可欠ですし、長期的に価値が上がる通貨(つまり今は割安な通貨)や資産を保有するしかないと考えています。そのためのお手伝いができればと思いますので、気軽にお問合せを頂ければ幸いです。