マレーシアで不動産に投資する場合に、必ず利用せざるをえないのは現地の銀行です。家賃などの入金や、管理費や税金などの支払先を日本の口座に指定するのは、いちいち海外送金しなければならず現実的ではありません。またマレーシアに支店がある日本の銀行はいくつかありますが、そのほとんどが法人用で、個人口座を取り扱っているとこはほぼないと言っていいでしょう。
そんなわけで、今回は投資のパートナーとなる銀行選びについてお話します。

あなたはどれを選ぶ?4大銀行について

マレーシアにも大小合わせるとたくさん銀行がありますが、我々日本人が選ぶべき銀行はそう多くなく、ほぼ下記の4大銀行に集約されると思いますので、この4大銀行について述べたいと思います。

HSBC

おすすめ度:◎
香港紙幣を発行する銀行として名高いHSBCはマレーシアの外資系銀行として人気があります。かつて日本にも支店があったのですが、一部の部門を残して撤退してしまったので、あまりいい印象をお持ちの人も少なくありません。しかし、外資系銀行の場合だと、郵便物等日本に送付してくれることが前提としてしてくれること、そしてプレミアムサービスが世界のどこでもうけられるという特徴があります。余談ですが私もプレミア口座を持っているので、香港に行ったときにトイレを借りたらついでにコーヒーまで頂き、メキシコの空港では専用ラウンジで安心して手荷物を預けられ温かい食事も頂けました。一部の株主が事業分割を主張し経営に関して、いろいろなうわさが絶えませんが、個人的にはおすすめの銀行です。

CIMB

おすすめ度:〇
マレーシアのローカル銀行でありながら、タイ、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどにも金融サービスを提供し、今後も成長が期待される金融グループです。
マレーシアのみならず、ASEAN各地で投資や生活を考えている人にとっては使いやすい銀行だと思います。加えて、HSBCに比べ定期預金の金利なども良く、クアラルンプール市内やショッピングセンターなどでも支店やキャシュディスペンサーをよく見かけます。またプレミアム口座にあたるプリファードクラスだとVISAカードの最上位のサービスを受けれるクレジットカードを作れるのも人気の理由のようです。
私は、現在も日本在住であることと、アジア以外の国に行くこともあるのでCIMBは選択肢から除外しましたが、生活のベースをマレーシアに移す人にはいい銀行だと思います。

パブリックバンク

おすすめ度:〇 
マレーシアでは3番目に大きい銀行のようですが、CIMBなどに比べてはやはり地味な感じであり、ほかのあまたあるローカル銀行と一見変わりないようにも思えます。
しかしパブリックバンクの最大の特徴はジャパンデスクがあり、日本人が常駐して担当してくれることであります。
銀行の手続きは日本語でさえ難しいので、海外だとなおさらです。それを日本人が説明してくれるのは大変ありがたいので人気はあります。
しかしこのジャパンデスクを利用するには25万リンギット以上を常時預金している大口顧客でなければならない点でやや敬遠される人もいます。

Maybank

おすすめ度:△
マレーシア最大の銀行であり、黄色をバックに虎の絵が描いてあるロゴが印象的で、あちらこちら支店やキャッディスペンサーもあり、マレーシアを代表する銀行であることは間違いありません。お隣のシンガポールでもよく見かけますし、アジア諸国にも支店を展開し、企業としてもマレーシアの上場企業では最大であります。海外の銀行は倒産などするリスクがありそうで怖いと思う人にとっては、安心して資金を預けられる銀行ではないかと思います。
このように企業としては立派なのですが、担当者レベルでは“お役所的”対応する人が多く、個人的に何度かやりとりしたことがあったのですが、我々日本人はどうもペース感があいません。完全にマレーシアに移住し、身もこころもマレーシアに慣れた方にはいいですが、最初がこの銀行だとややハードルが高いと思います。よっておすすめ度としては△になっています。

 
銀行選びはもちろん株価とか財務内容とかで選ぶのも大事ですが、「使いやすさ」も大事であります。今回は銀行選びの情報を極めて個人的な意見をもとにご提供させて頂きました。ご参考になれば幸いです。